「若い人に合わせた面接のやり方がわからない」
「圧迫面接と思われないためにどうすればいいの?」
こんな悲鳴をよく聞きます。
自分が求職活動をしていたのは遠い昔年の離れた応募者の感性なんてわからない
面接担当の方、かなり苦労していらっしゃると思います。。。
今回のメルマガを最後まで読んでもらえれば、現代の面接に必要な要素がわかります!
結論から申し上げると、令和の時代は「ファン化面接」がカギです。
ファン化面接とは、応募者を自社ファンに面接
これは文字通り「応募者をファン化する」面接です
この面接は、採用につながらなくても効果があります。
その理由として、現代の面接は「口コミで評判が広まる」という背景があります。
これまで何度もお伝えした通り面接は応募者にとって「非日常」です。
なんでもSNSで共有される現在、非日常的な行為は格好のネタといえます。
面接が終わった後、高まった緊張は一気にゆるみますよね?
そうなると、この経験を誰かに話したくなる。その場で友達に電話するかもしれません。帰宅して家族に話をするでしょう。
同じように、拡散性のあるSNSに書き込まれる可能性だって高いのです。
こうして、面接の口コミは一気に広まります。
おかしな対応をしてしまい、それが拡散しようものなら応募者の獲得に苦戦すること間違いなしです。
それだけならまだしも、有資格者が必須の業界は更に深刻です。
地域や業界内で悪評が広まってしまっては、ただでさえ獲得困難な希少人材が、応募してくれなくなってしまいます。
同業他社とのつながりが強かったり、地場産業などの市場が小さい業界であれば、経営そのものに影響があるかもしれません。
逆に、応募者が自社のファンになって、高評価を拡散してくれたならどうでしょうか。
採用した応募者であれば「スタッフのリアルな声」として次に応募してくれる人の参考になりますよね。
採用につながらなかった応募者なら余計に、そんなに良い会社なら、と興味をもってもらえるきっかけになるでしょう。
つまり現代では、応募者が採用されようがされまいが、ファンになってもらえる面接が必要なのです。
採否の結果に関係なく、面接をした人が自社のファンになってくれる、そんな面接を心がけていただければと思います。
ファン化面接の流れ
応募者に「ファンになってもらう」のですから、ぶっつけ本番ではなく、以下の流れを踏まえて準備してみてくださいね。
それでは1つ1つ見ていきましょう。
① アイスブレイク
アイスブレイクというのは、緊張をほぐすための時間のことを言います。
応募者が「いつもの状態」で面接を受けることが重要性です。
つまりアイスブレイクは、応募者の「素」を引き出すために必要な「つかみ」になります。
軽い雑談で「異様な空間」である面接の場を少しでも和ませましょう。
時間は3分くらいが目安です。あまり長いとだらけてしまうので、注意してくださいね。
この時、「実は私は面接担当じゃないんですが、今日は人手不足でピンチヒッターなんですよ」
などと内輪の暴露話をしてしまわないように、話題には気を配りましょう。
応募者に「この会社大丈夫なのかな」と不安に思われてしまいます。
何より、応募者を軽んじているようで失礼ですよね。
応募者がうちとけて、積極的に話してくれるような時事ネタなど、事前にピックアップしておくのもオススメです。
【アイスブレイクの具体例】
「今日は暑いですね」
「こちらには電車でお越しですか?」
「少し場所がわかりにくかったですかね」
「お飲み物を用意しますね」
② 面接の流れを説明する
応募者は今から自分が何を聞かれるのか、どういう風に進行していくのか、不安な気持ちで面接にのぞんでいます。
安心して受け応えしてもらえるように、2分くらいで面接の流れを簡単に説明しましょう。
このとき実は、多くの企業が大変重要なポイントを見落としています。
今から質問する内容を、ざっと説明してから面接に入る、といったことは実施しているかもしれません。
ですが、「面接のスタンス」を伝えていないケースがとても多いのです。
例えば、「弊社は面接官も自己紹介をしております。少し長くなりますが、お互いを知った上でフェアな面接を実施したいからです。」など、「自社が面接で大切にしていること」をしっかり伝えるようにしましょう。
そうすることで社内文化が伝わりますし、企業側の欲しい情報を吸収しやすくなります。
具体的な質問に入る前に、自社の面接のやり方を説明してあげてくださいね。
面接は「異常な空間」である
面接は本当に「異常な空間」です。
「全く知らない場所に、たった一人で乗り込んでいって、初めて会ったばかりの人を相手に、過去の経歴や趣味、内面にいたるまで洗いざらい自分をさらけだしてアピールする」
こんなことって面接の時でなければ絶対にやりませんよね?
応募者にとって面接は、ありえない「非日常」なのです。
ですから面接を実施する側としては、応募者の緊張をやわらげる工夫が必要です。
これは、応募者への配慮であることはもちろん、事業者のためでもあります。
応募者が「面接用の自分」で対応し、面接官がそれを素直に受け止めてしまった場合、「本当の応募者の姿」にギャップが生まれます。
結局、お互いに「思ったのと違う」といったミスマッチにつながりやすくなってしまうのです。
応募者の素直な反応を引き出して相手をよく理解し、早期の離職を防ぐのは重要なことですよね。
お互いのために、少しでも普通の状態で面接をしてもらえるよう、意識してみてください。
面接官も身なりを整えるのがマナー
特に正社員の面接であれば、応募者はスーツで来社するケースが多いでしょう。
そんな時に、面接官が作業着やユニフォームで対応するのは、マナー違反であり失礼なことです。
面接官にとってはいつもの職場で、面接の実施も業務の一つでしかないでしょう。
ですが応募者にとって面接は「異常な空間」であることを忘れてはいけません。
自分の将来を決める重要なイベントに、しっかり準備をして来てくれているのです。
また、多くの求職者は他社と天秤にかけつつ、面接にのぞんでいます。
スーツで対応しないことが普通の業界だとしても、マナーで他社に劣っていたとしたら、どうしても印象は悪くなってしまいます。
こうしたことから、一般的なマナーに合わせて面接官はスーツで対応するのが良いでしょう。
どうしても難しいようであれば、せめて面接の開始前に応募者へことわりをいれてください。
「業務時間の都合により失礼ながら作業着での面接となりますがご了承ください」
この一言があれば、応募者も自分が軽んじられているのではない、とわかってくれると思います。
圧迫面接がNGな理由
「圧迫面接」って言うけどひどいことをしているわけじゃないし、自分達の時代には普通だったよな。
応募者の対応力を見るためにも、少しくらいプレッシャーをかけないと。
今でもこのようにお考えでしたら、頭の切り替えが必要かもしれません。
残念ながらこの風潮は今や「昭和の遺物」なのです。
現在は人手不足であり多くの業種は売り手市場なので、求職者の比較対象は多いといえます。
そんな中で圧迫面接の悪評が立ち、それをSNSで拡散されでもしたら、事業者にとっては大ダメージですよね。
応募者が「選べる」状況である以上、現代のニーズに合わせることは人材の獲得において必須なのです。
しかしそれでは、応募者のトラブル対応やストレス対応について判断材料がないじゃないか。
そう思われるかもしれませんね。たしかにこれらの情報は必要なものでしょう。
そうした場合には、ストレス耐性テストなどの各種適正テストツールを活用してみましょう。
様々な種類が販売されていますし、入社時の簡単な筆記試験などとセットにすれば、応募者に違和感も与えません。
導入は少し面倒かもしれませんが「感じの悪い企業だ」と判断されるよりはずっと良いですよね。
それに、定量的に判定できるツールは面接官によってバラつく感情や印象に左右されず、自社にマッチする人材を客観視できますよ。