人材が定着しない職場にありがちなのが、
「受け手が動き辛い指示をしている」
というケースです。
適切に仕事を振ってくれない職場に、
長く勤めたい、なんて思えませんよね。
結果、人材の定着率が下がってしまいます。
それでは、
「動きやすい指示」
とはどういったものなのでしょうか。
指示の要素として以下の3つに着目して
お話を進めますので、
頭の片隅に入れておいてくださいね。
・What(何を)
・Way(どうやって)
・Reason(理由)
それでは、
具体的に見ていきましょう。
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何もできない相手への対処
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相手に十分な経験やスキルがあれば、
指示はそう難しいことではありません。
難しいのは、
相手が「何もできない」ケースです。
そんなの、
新人の受け入れの時くらいでしょ?
簡単じゃん!
そうお考えの方がいらっしゃったら、
少々ツメが甘いかもしれません。
例えば、
下記のようなケースはどうでしょう。
・性質が全く異なる部署への配置転換
・昇進してプレイヤーからマネージャーへ
・初めて部下を持ち育成を任された
いずれも、
「新しいポジションで求められること」
は何もできない状態です。
こうした環境にある人材に力を発揮してもらい、
長く働いてもらう、
つまり定着化をはかるには、
どうすれば良いのでしょうか。
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曖昧な指示で定着化が遠ざかる
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ベテランになると、
考えるまでもなく無意識に判断する、
という事が増えてきますよね。
例えば下記の例、
あなたはどう思われますか?
初めて洋食のテーブルセッティングをする、
という部下がいるとします。
<上司>「お皿の左右にナイフ等を並べてね」
<部下>「どうすれば良いのでしょうか…」
<上司>「バランス良く配置すれば良いよ」
一見「どうすれば良いか」
という部下の疑問に対して、
アドバイスをしているように見えます。
ですが実際は、
「Way(どうやって)」を示しているようで、
「What(何を)」を重ねているだけなのです。
これでは、
何のノウハウも持たない受け手は動けません。
確かに誰しも一度くらいは、
綺麗にセットされた
ディナーテーブルを見たことがあるでしょう。
ナイフやフォークを使う順番も、
社会人であればマナーとして
心得ている人の方が多いかもしれません。
ですが「適切な指示」が上司の仕事であり、
「考えればわかる」は通らないのです。
例えば上記の例であれば、
「お皿の左右からこぶし一つ分くらい
はなれた所に配置するとバランスが良いよ」
など「具体的に」伝えることができれば、
本物の「Way」と言えるでしょう。
動き辛い指示が続くと
部下はこんな風に考えるようになってしまいます。
「いつも上手く動けない」
「自分にはこの仕事が向いていないのかも」
「もっと気持ちよく働ける仕事に変えようかな」
こうしてやる気を失わせてしまったり
定着からほど遠い気持ちにさせてしまうので、
指示出しの際には注意を払う必要があるのです。
指示する側のキャリアがあれば、
幾つもの「Way」を思いつくだけに、
意識していなければ気づき辛い点と言えます。
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「自分で決めた」と思わせる
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人間の行動特性として、
「自分で決めたことに価値を感じる」
というものがあります。
販売員が使う心理テクニックとして
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
店員から
「これが絶対にお勧めですよ!」
と言われるよりは、
「AとBどちらがお好きでしょうか」
と買い手に選ばせたほうが
購買意欲が高まる、というものですね。
働く人の心理としても同じことが言えます。
同じ「指示」を受けるにしても、
「言われてやらされている」
と思って作業をするのと、
「指示のうち自分で決めたものをやっている」
と能動的に取り組むのでは、
仕事に対する価値が全く異なるものになるのです。
「自分は価値のある仕事をしているんだ」
という気持ちは職場への満足感を高め、
ここで長く働きたい、という思いへつながります。
全ての指示で実行するのは難しいかもしれませんが、
可能な限り「指示に幅を持たせる」
ことを意識してみてはいかがでしょうか。
「どちらの方法がより適切かな?」
「やるとしたらどっちが自分に向いてる?」
など大まかな選択でも、
受け手が答えを出す時に「自分で決めた」
と感じることができればOKです。
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満足感が高ければ定着する
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「素直に聞ける指示がもらえるな」
「アドバイスで成長できている気がする」
このように感じる会社でなら、
「長く働ける」と思ってもらえますよね。
つまり、
人材が定着する指示というのは、
・やる気を失わない
・成長の実感を持てる
ものである必要があるのです。
加えて、
「やらされてる感がない」
「自分で決めて動けている」
という選択の満足感があれば、
「この会社で成長していきたい」
とさえ思ってもらえることでしょう。
貢献度の高い社員の定着は、
事業の発展にとって大きな力になります。
是非「指示」について、
改めて向き合ってみてくださいね。
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いかがでしょうか。
気持ちよく働くのは大事だけど、
あまりにも「丁寧な指示」をすると
自分で考える力が育たないのでは?
そう心配されている方も
いらっしゃるかもしれません。
この点で重要になってくるのが
「Reason(理由)」です。
別の言い方をすれば、
「何のためにその作業をやるのか」
を理解してもらうということです。