
面接の進め方がわからない、
というお悩みにお応えできるように、
流れに沿って個別にご説明したいと思います。
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流れの確認の前に
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ところであなたは、
面接の練習をしたことがありますか?
練習なんてしたことない、
という方が多いかもしれませんね。
ですが、
前回もお伝えしたように今は売り手市場。
事前の準備をせず、
ましてや進行方法も決めず、
なんとなく面接していたらどうでしょうか。
応募者に準備不足を見抜かれて、
良い人に来てもらうことはできませんよね。
今から、
「ここで仕事がしたい!」
と思ってもらえる面接の流れをお伝えします。
応募者に「ファンになってもらう」のですから、
ぶっつけ本番ではなく、
以下の流れを踏まえて準備してみてくださいね。
ちなみに、
大体60分くらいのシナリオになっています。
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1:アイスブレイク
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アイスブレイクというのは、
緊張をほぐすための時間のことを言います。
前回、
応募者が「いつもの状態」で
面接を受けることの重要性をお伝えしました。
つまりアイスブレイクは、
応募者の「素」を引き出すために必要な
「つかみ」になります。
「今日は暑いですね」
「こちらには電車でお越しですか?」
「少し場所がわかりにくかったですかね」
「お飲み物を用意しますね」
などといった、
軽い雑談で「異様な空間」である
面接の場を少しでも和ませましょう。
時間は3分くらいが目安です。
あまり長いとだらけてしまうので、
注意してくださいね。
この時、
「実は私は面接担当じゃないんですが、
今日は人手不足でピンチヒッターなんですよ」
などと内輪の暴露話をしてしまわないように、
話題には気を配りましょう。
応募者に
「この会社大丈夫なのかな」
と不安に思われてしまいます。
何より、
応募者を軽んじているようで失礼ですよね。
応募者がうちとけて、
積極的に話してくれるような時事ネタなど、
事前にピックアップしておくのもオススメです。
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2:面接の流れを説明する
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応募者は今から自分が何を聞かれるのか、
どういう風に進行していくのか、
不安な気持ちで面接にのぞんでいます。
安心して受け応えしてもらえるように、
2分くらいで面接の流れを簡単に説明しましょう。
このとき実は、多くの企業が
大変重要なポイントを見落としています。
今から質問する内容を、
ざっと説明してから面接に入る、
といったことは実施しているかもしれません。
ですが、
「面接のスタンス」を伝えていない
ケースがとても多いのです。
例えば、
「弊社は面接官も自己紹介をしております。
少し長くなりますが、お互いを知った上で
フェアな面接を実施したいからです。」
など、
「自社が面接で大切にしていること」
をしっかり伝えるようにしましょう。
そうすることで社内文化が伝わりますし、
企業側の欲しい情報を吸収しやすくなります。
具体的な質問に入る前に、
自社の面接のやり方を
説明してあげてくださいね。
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3:面接官の自己紹介
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得体の知れない人に質問されるのって
気分が良くないと思いませんか?
それなのに、
面接官の情報を開示しない企業は
意外に多いのです。
応募者は何もかも開示しているのに、
面接する側が何も情報を提供しないのは、
フェアじゃありませんよね?
相互理解には、
雇用のミスマッチを防ぐ効果もあります。
面接官もしっかり自己紹介しましょう。
ポイントは、
「いかに熱く語れるか」です。
本気の相手には本気で返したくなるもの、
応募者の本音を引き出したいなら
面接官も情熱を示しましょう。
経歴の羅列ではなく、
仕事に対する思いなど
共感できる「感情」が入ると良いですね。
それに、
ほんの少しの情報であっても
「知っている人」の方が話しやすいです。
応募者が素直に話せるように、
面接官から歩み寄ってあげてくださいね。
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4:会社説明・募集の背景の説明
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自社はどんな会社なのか、
企業理念などについてもしっかり伝えましょう。
立派な理念なんて作ってないよ、
と身構える必要はなく、
「社長の思い」といった内容でかまいません。
大事なことは「自社の価値観が伝わり」、
「その価値観とマッチした人材を獲得できる」
ことです。
面接の場でお互いに価値観を共有する、
という点を意識してミスマッチを防ぎましょう。
また、募集の背景について
応募者はかなりシビアに見ています。
実はブラックで人の出入りが激しいのでは?
と疑念を持たれてしまわないように、
人を募集している理由も伝えましょう。
具体的には
・募集職種の業務内容
・なぜ募集しているのか
・採用後に求めること
などをセットで説明してあげてください。
なお、所要時間は前項3と合わせて
20分?30分くらいが目安です。
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5:応募者への確認
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企業側からの説明が続いているので、
このあたりで応募者に質問をしてみましょう。
「ここまでの内容で気になる点はありますか?」
といった感じで、
応募者の感触を確かめてみます。
温度感が確認できますし、
「自社の理念」への理解度や、
応募者の質問力もみることができますね。
なお、時間は5分程度で構いません。
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6:応募者が自社に貢献できる理由を聞く
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求人内容に対して、
自分が貢献できると考えた理由や、
具体的に貢献できる点などを質問しましょう。
中途採用の場合は、
過去の経験がどのように活かせるのか、
具体的に引き出せるとベストです。
新卒や未経験者については、
「自社の価値観に合うかどうか」
が引き出せる質問にしましょう。
例えば、
・仕事に対する心がまえ
・なぜうちを選んだのか
など「自社で働く意欲」を
判断できる内容が良いでしょう。
なお、所要時間は5分が目安となります。
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7:応募者のビジョンや目標を確認
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さて、応募者はなぜ
求職活動をしているのでしょうか?
極端な例ですが、
「素行不良でクビになってどこでもよい」
という人が来ても困りますよね…。
応募者が将来的にどんなビジョンや
目標をもっているのか、
中途であればなんで転職するのか、
といった点について聞いてみましょう。
定着人材を採用するためには、
「共通の価値観をもっているのか」
が非常に大切な要素です。
曖昧な答えを返されたとしても、
「具体的にはどういうことでしょうか?」
など徹底的に深堀りしましょう。
ただし、
一方的に聞いてばかりいると
「圧迫」的な印象を与えかねません。
面接官が「思い」を熱く語るなど
本音を話すことで相手の気持ちを引き出し、
「語り合う」状態をつくるのが理想です。
自社のビジョンと将来像が一致する、
最適な人材を採用できる
チャンス質問だと捉えてください。
所要時間は10分程度が目安ですが、
面接で最も重要なポイントですので
必要なだけ時間をかけて聞き尽くしましょう。
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8:応募書類で気になった点を確認
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履歴書や職務経歴書を見て、
少しでも引っかかる点は必ず確認しましょう。
例えば、
・長いブランク期間がある
・転職回数が多い
といった場合は、
デリケートではありますが質問すべきです。
ただし昭和的な終身雇用の感覚で
転職回数が多い理由について尋ねると、
「非難された」と受け取られる危険性があります。
圧迫面接を受けた、
などと悪評を拡散されることは
避けなければなりません。
「採用するとしたら納得できる理由か」
に重点を置いた上で、マイナスの印象を
与えないように配慮します。
具体的には、
「沢山の職種にチャレンジしていますね」
といったポジティブ方向に持っていったり、
直近の転職の経緯に絞るなどが良いでしょう。
あまりしつこく尋ねると悪印象なので、
所要時間は5分程度に収めるのが無難です。
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9:ビジョンを共有(採用見込み者のみ)
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さて、ついに面接の最終段階となります。
ここで、
7番目にお伝えした応募者の夢やビジョンの話を
改めて話題にしてください。
ただし、
これは「採用しよう」と決めた応募者にのみ
必要な限定フェーズです。
これまで個別に質疑応答してきた
「応募者のビジョン」と「自社のビジョン」を
一致させて未来志向を示します。
ポイントは「熱く語り・断定する」です。
「弊社は応募者さんのXXという目標を、
XXといった理念で実現できる環境があります。
お互いの夢を実現するために力を合わせましょう!」
といったように、
・共通点がある
・同じ方向を向いている
・会社の成長と自分の成長を重ねられる
などの「一緒にがんばれる」点を強調することで
「この会社が好き!ここで働きたい!」
と思わせることができるからです。
ちなみに、
「ピークエンドの法則」をご存知でしょうか。
人間は
「一番盛り上がった時と最後しか覚えていない」
という心理学の法則です。
つまり、
面接の最後に応募者の心に刺さる内容を
徹底的に盛り上げる演出は効果絶大と言えます。
ここは全力で熱く語りきって、
応募者の気持ちをつかんでくださいね。
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いかがでしたか?
以上が、
「応募者をファンにする面接の流れ」
となります。
意外にやっていなかったことも
あるのではないでしょうか?
少しでもお役に立てたら嬉しく思います。
ちなみに運良く良い人が来てくれても、
この1回の面接ですぐに内定を出すのは
避けた方が良いでしょう。
人材の定着化には、
更に重要なワンステップがあります。
この点については、
また別の機会にお伝えいたしますね。